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ドラレコ映像で事故を防ぐ!実践的危険予知トレーニングの進め方
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物流・運送業界において、交通事故の防止は経営の根幹を支える最重要課題です。現在、多くのトラックにドライブレコーダー(以下「ドラレコ」という)が搭載されています。しかし、その記録映像を事故後の証拠確認だけでなく、日常の「安全教育」にまで有効活用できている企業は多くありません。
本稿では、警察庁「映像記録型ドライブレコーダーを活用した交通安全教育マニュアル」等の資料をもとに、ドラレコ映像を用いた「危険予知トレーニング(KYT)」の具体的な手法とその重要性について解説します。
目次
ドラレコ映像を活用した安全教育の効果
ドラレコ映像を用いた危険予知トレーニング(以下「KYT」という)を実施することで、ドライバーは自身の好ましくない運転特性を客観的に把握し、安全運転に対する意識を向上させることができます。これにより、単なる注意喚起にとどまらず、事故防止に直結する具体的な運転行動の改善を促すことができます。
なぜドラレコ映像によるトレーニングが重要なのか
交通事故の背景には、ヒューマンエラーが多く関与していると言われており、「意図しないミス」と「意図的な不安全行動」の2種類に大別されます。ドラレコ映像はこの両方に対して有効な教育ツールとなります。

ヒューマンエラーと不安全行動の抑制
ヒューマンエラーには、うっかりミスや錯覚による「意図しないもの」と、リスクを認識しながら意図的に行う「不安全行動」があります。トラックドライバーの事故には、こうした不安全行動が関与するケースが少なくありません。ドラレコ映像を用いた教育は、ドライバー自身の目線で記録された実際の映像を振り返ることで、自身の運転におけるリスクを自覚させ、不安全行動を抑制する効果があります。

ヒヤリハット映像が持つ「客観性」の力
ドラレコは、車両に大きな衝撃が加わった際や、急制動・急ハンドルといった「トリガー」が発生した前後の映像を記録します。これには、事故に至る一歩手前の事象である「ヒヤリハット」が鮮明に残されています。ドラレコは、安全運転の振り返りや事故・ヒヤリハットの再発防止に活用できる機器として位置づけることが重要です。客観的な映像を教材として組織全体で共有することが、安全文化の醸成につながります。
教育手順とトレーニングの進め方
教育では「車間距離保持」など、自社の事故原因に即した具体的な目標を設定します。実施頻度の一例として、1回15分を月数回、または1回30分を年数回とする方法があります。無理なく継続できる頻度を自社の実態に合わせて設定することが大切です。手法は「講義型」と、「参加型」があります。いずれも、映像を事象の直前で一時停止し「次に何が起こるか」を予測させた上で、結末の確認と対策の検討を行う手順が、受講者の危険予測能力を養うために極めて有効です。
ドラレコ映像が捉える危険事例と対策
自社のドラレコ映像を分析すると、ヒヤリハットが「一般道での直進中」に多く見つかる場合があります。交差点や急カーブではなく、一見リスクが低いと思われる直進走行中に、脇道からの飛び出しや前方車両の急停止といった危険が潜んでいることがあるのです。こうした傾向は、ドラレコ映像を分析して初めて可視化されるケースが多くあります。
映像をもとにした対策の例としては、
- 脇道からの飛び出しを予測した速度調整
- 視界が悪い夕方の早期点灯
- 雨天時の慎重なブレーキ操作
などが挙げられます。
また、駐車場や交差点では、状況に応じた低速走行・一時停止の徹底、歩行者や他車との距離確保といった行動指針を、映像を使って具体的に示すことが効果的です。自社映像を教材にすることで、ドライバーの納得感と行動変容を引き出しやすくなります。
安全教育の実施における管理者負担の現実
ドラレコを活用したKYTは極めて有効ですが、これを自社のみで完結させるには大きな壁が存在します。

膨大な解析作業時間と専門技能の必要性
「貨物自動車運送事業輸送安全規則 第10条」および国土交通省告示第1366号に基づき、運送事業者はドライバーに対して適切な指導及び監督を行う義務があります。ドラレコ映像はこの義務を果たすための強力なツールですが、導入だけでは十分な効果が得られない場合があります。映像を教育に活かすには、記録された膨大なデータの中から有用な事例を抽出・解析する作業が不可欠であり、それを担うのが管理者です。
さらに、教育ツールを作成するには、表計算ソフトによる集計、プレゼンテーションソフトによる資料作成、さらには動画編集ソフトを用いた映像加工など、高度な専門技能が必要です。これらは難易度が高く、日常の運行管理業務を抱える安全管理者が片手間に行うには限界があります。
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まとめ
ドラレコ映像を活用したKYTは、抽象的な精神論による教育を、具体的かつ客観的な「技術教育」へと進化させます。
しかし、前述の通り、自社で膨大な走行データの中から適切な教育用映像を選別し、加工して、体系的な教育を継続することは容易ではありません。記録映像の大部分は通常の走行映像であり、その中から教育価値の高い場面を抽出する作業は、管理者の多大な負担となります。この課題を放置すれば、せっかく導入したドラレコが「事故後の確認用」として形骸化してしまいます。
効率的に高品質なKYTを実践するには、「解析・加工」の負担を省いた既成の教育プログラムの活用が、現実的かつ効果的な選択肢です。

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