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トラック運送事業者の行政処分とは?処分の種類・違反点数・主な違反・監査・対策を解説

公開日:2026年10月28日
執筆者:株式会社アスア 編集部
この記事でわかること
  • 行政処分の種類とペナルティ(違反点数・日車)の仕組み
  • 点呼・勤務時間・健康管理など行政処分につながる主な7つの違反
  • 監査から処分までの流れ・検索方法・運送会社が取り組むべき予防策
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トラック運送事業者の行政処分とは?処分の種類・違反点数・主な違反・監査・対策を解説

トラック運送事業者に対する行政処分は、重大事故だけでなく、点呼や労働時間、健康管理、車両整備、帳票管理など、日常的な運行管理の不備が原因となることもあります。違反の内容や程度によっては、車両の使用停止や事業停止、事業許可の取消しなど、事業継続に大きく影響する処分につながるため注意が必要です。

本記事では、トラック運送事業者が受ける行政処分の種類や違反点数・日車の仕組み、主な違反、監査から処分までの流れ、処分情報の調べ方、違反を防ぐための対策まで詳しく解説します。自社の運行管理体制を見直し、行政処分を未然に防ぐための参考にしてみてください。

トラック運送事業者が受ける行政処分とは

トラック運送事業者に対する行政処分とは、貨物自動車運送事業法などの関係法令に違反した事業者に対して、管轄する行政機関が行う措置です。監査で法令違反が確認された場合には、違反内容や程度などに応じて処分等が行われます。

措置の内容は、違反事項ごとに定められた基準などを踏まえて判断される仕組みです。具体的な行政処分・行政指導の種類は、次の見出しで詳しく解説します。

トラック運送事業者に対する行政処分の種類

トラック運送事業者に対する措置には、文書警告から車両の使用停止、事業停止、事業許可の取消しまで、違反の内容や重大性に応じた複数の種類があります。ここでは、トラック運送事業者に対して行われる主な行政処分・行政指導の種類とそれぞれの違いについて解説します。

文書警告

文書警告は、監査などで法令違反が確認された場合に、事業者へ文書で改善を求める措置です。厳密には車両の使用停止や事業停止などの「行政処分」ではなく、行政指導に位置付けられます。違反事項によっては、初回違反では文書警告となり、同じ違反を繰り返した場合には、より重い措置へ進むことがあります。

文書警告を受けた場合は、指摘された違反の原因を確認し、点呼や帳票、労務管理など該当する管理体制を見直して再発防止策を講じることが重要です。

なお、文書警告を受けた場合は、原則1か月以内に、当該違反行為の防止又は違反状態の是正のために執った改善措置を明らかにした事業改善報告書を提出する必要があります。

自動車その他の輸送施設の使用停止処分

自動車その他の輸送施設の使用停止処分は、法令違反の内容に応じて、事業用自動車などを一定期間、運送事業に使用できなくする行政処分です。貨物自動車運送事業法第33条では、6か月以内の期間を定めて、自動車その他の輸送施設の使用停止を命じることができるとされています。

車両使用停止の処分量は「日車」で示される仕組みです。事業者は対象車両と停止期間を明確にし、対象外の車両と取り違えて運行しないよう管理する必要があります。「日車」の計算方法や違反点数との関係は後述します。

輸送の安全確保命令・事業改善命令

輸送の安全確保命令は、輸送の安全を確保するために必要な措置を講じるよう事業者へ命じるものです。現行の貨物自動車運送事業法第22条に基づいて発動され、具体的な発動基準も定められています。実際に、点呼の不実記載などを受け、安全確保のための是正措置を命じた事例があります。

一方、事業改善命令は、事業の適正かつ合理的な運営などを確保するために改善を求める措置です。たとえば、業務体制の再構築や従業員教育、社内のコンプライアンス確認機能の強化などが命じられた事例があります。単に処分を受けて終わるのではなく、命令された事項に沿って管理体制や業務を具体的に改善することが求められます。

事業停止処分

事業停止処分は、一定期間、運送事業の全部または一部を行えなくする重い行政処分です。貨物自動車運送事業法第33条では、法令や法令に基づく命令・処分などに違反した場合、6か月以内の期間を定めて事業の全部または一部の停止を命じることができると規定されています。

この処分では、対象となる営業所等の事業活動自体が制限されるため、車両を入れ替えて運行を続けるといった対応はできません。処分通知の対象範囲と停止期間を正確に確認し、配車担当者や運行管理者など関係者へ共有して、停止対象となる業務を誤って行わない体制が必要です。売上や取引先など経営面への影響については、後述する見出しで詳しく解説します。

事業許可の取消処分

事業許可の取消処分は、一般貨物自動車運送事業を行うために取得した許可そのものを取り消す、極めて重い行政処分です。貨物自動車運送事業法第33条では、一定の法令違反などがあった場合に、事業許可を取り消すことができると定めています。

行政処分基準では、過去の事業停止処分や累積違反点数などを踏まえて許可取消となる基準が設けられており、累積点数が81点以上となった場合などが対象に含まれます。

許可取消は事業継続に直結するため、累積点数や過去の処分状況を継続的に把握することが重要です。

行政処分の重さを左右する違反点数と「日車」の仕組み

行政処分の重さを理解するには、個々の違反から最終的な違反点数まで、どのような流れで算定されるかを把握しておくことが重要です。まず、違反事項ごとの基準日車等を確認し、複数の違反がある場合は原則として合算して処分日車数を算出します。その処分日車数をもとに違反点数が付され、過去の点数とあわせて累計管理されます。用語ごとの役割は、次の表で整理して確認しましょう。

項目基本的な考え方
日車車両の使用停止処分の量を示す単位
処分日車数違反ごとの基準日車等を原則として合計した日車数
違反点数処分日車数10日車までごとに1点を付与。一定の事業停止処分では別途30点を付与

違反点数は事業者ごとに管轄区域単位で累計され、累計期間は原則として3年間です。ただし、処分前の2年間に行政処分を受けていないことなどの要件に加え、処分後2年間に必要な是正措置を履行し、新たな行政処分や所定の事故、重大な交通違反がないことなど、定められた条件をすべて満たす場合は、2年で当該違反点数が消滅します。したがって、現在の処分日車数だけでなく、過去の処分による点数と消滅時期も確認しておくことが重要です。

トラック運送事業者が行政処分を受ける主な違反

トラック運送事業者の行政処分は、重大事故だけでなく、日常的な運行管理や帳票管理の不備がきっかけとなる場合があります。点呼や労務管理、健康管理、車両整備など確認項目は多岐にわたるため、日常的な点検が欠かせません。ここでは、トラック運送事業者が行政処分を受ける主な違反について解説します。

点呼の未実施・記録不備

トラック運送事業者は、乗務前・乗務後など所定のタイミングで点呼を行い、運転者の酒気帯びの有無や健康状態、運行状況などを確認する必要があります。点呼を実施していても、必要事項を記録していない、記載内容に不備がある、記録を適切に保存していない場合は違反の対象です。行政処分基準では、点呼の未実施件数や記録不備の内容に応じて、文書警告や車両の使用停止につながる基準が定められています。

点呼は、飲酒運転や体調不良による事故を防ぐ重要な安全管理業務です。実施の有無だけでなく、確認項目や記録・保存まで定期的に点検する必要があります。

拘束時間・休息期間など勤務時間の基準違反

トラック運転者の勤務時間や乗務時間については、改善基準告示などを踏まえた基準を守り、過労運転を防止しなければなりません。長時間の拘束が続いている、必要な休息期間を確保できていないなど、勤務時間等の基準に適合しない乗務をさせると行政処分の対象となる可能性があります。運行管理者には、基準の範囲内で乗務割を作成し、適切に運行を管理することが求められています。

また、2024年10月1日施行の行政処分基準の改正では、勤務時間等基準告示の遵守違反について、未遵守が計6件以上の場合、初違反は1件当たり2日車、再違反は1件当たり4日車として処分量を算定する仕組みに改められました。単に勤務表を作成するだけでなく、実際の拘束時間や休息期間、連続運転時間、時間外労働の上限を継続的に把握することが重要です。

健康診断の未受診・健康管理の不備

事業者は、運転者の健康状態を把握し、疾病や疲労などによって安全な運転ができないおそれがある場合には乗務させないなど、適切な健康管理が欠かせません。行政処分基準では、過去1年以内に法定の健康診断を受診させていない状態で運転者を運行の業務に従事させることを「疾病・疲労等のおそれのある運行」として処分対象にしています。実際の行政処分事例でも、健康診断未受診に関する違反が認定されたケースがあります。

健康管理では、受診させるだけでなく、点呼などを通じて日々の体調を確認し、安全な運転が難しい状態を見逃さないことも重要です。長時間労働や睡眠不足などと健康状態を切り離して考えず、労務管理とあわせて乗務の可否を適切に判断できる体制を整える必要があります。

定期点検整備・車検に関する違反

事業用トラックを安全に運行するためには、法令に基づく点検・整備を確実に実施し、車両を安全な状態に維持することが欠かせません。必要な定期点検整備を実施していない場合などは、行政処分につながる違反となります。公表されている実際の処分事例でも、定期点検整備等の未実施が、点呼や健康管理などの違反とあわせて認定されています。

また、自動車検査証の有効期間が切れた状態で公道を運行する無車検運行も違反となります。車検と定期点検整備は別の制度であり、車検に合格していても、必要な定期点検整備を省略できるわけではありません。車検証の有効期間だけを見て車両管理が適切だと判断せず、車検と点検整備の実施状況を分けて確認することが大切です。

運転者台帳・業務記録・運行指示書の不備

トラック運送事業者には、運転者台帳や業務の記録など、運行管理に必要な帳票を作成・保存する義務があります。また、一定の運行では運行指示書を作成し、運転者への指示や変更内容を適切に記録・保存しなければなりません。 作成していても、必要事項が抜けている、実際の運行内容と一致していない、保存されていないといった状態では違反となる可能性があります。

帳票は監査時に運行管理の実態を確認する重要な資料です。「作成したか」だけでなく、内容の正確性や保存状況まで確認しましょう。

運転者への指導監督・適性診断の未実施

トラック運送事業者は、運転者に対して安全運行に必要な指導・監督を実施し、その内容を記録と3年間保存する必要があります。さらに、事故惹起運転者や初任運転者、高齢運転者など一定の対象者には、通常の指導とは別に特別な指導や所定の適性診断を受けさせることが求められます。たとえば高齢運転者は、特別な指導・適性診断の対象です。

行政処分につながるのは、適性診断の未受診だけではありません。必要な指導・監督を行っていない、対象者に必要な特別な指導が実施されていない、実施した内容を記録で確認できないといった不備も問題となります。実際の処分事例でも、指導監督の不適切や適性診断の未受診が違反として確認されているため、何が未実施・不十分なのかを区別して把握することが重要です。

運行管理者・届出・事業計画に関する違反

トラック運送事業では、営業所ごとに必要な運行管理体制を整え、運行管理者の選任・解任などについて所定の届出が必要です。運行管理者には、乗務割の作成や点呼、運転者台帳の管理など、安全運行を支える幅広い業務が定められています。選任や届出を適切に行っていても、事業者による運行管理者への指導監督が不十分であれば違反となる場合があります。

また、営業所や自動車車庫など、認可を受けた事業計画に関する事項を無断で変更することも行政処分につながります。実際の処分事例では、車庫の位置・収容能力に関する事業計画変更認可違反や、運行管理者の選任解任届出違反などが確認されています。 変更時には、事前認可・事後届出のどちらが必要かを確認することが重要です。

トラック運送事業者が行政処分を受けるまでの流れ

行政処分は、事故や通報などをきっかけに監査が行われ、法令違反が確認された場合に行政処分基準に沿って内容が判断されます。主な流れは次のとおりです。

段階主な内容
1. 監査対象となる事故・通報・過去の処分状況などから監査の必要性を判断
2. 監査を受ける営業所などで法令遵守状況を確認
3. 違反内容を確認違反事項や違反の程度、再違反の有無などを整理
4. 処分内容を決定行政処分基準に基づいて処分内容を判断
5. 処分を実施文書警告、車両の使用停止、事業停止、許可取消などを実施

事故や通報などは監査のきっかけであり、それだけで処分内容が決まるわけではありません。監査に備え、帳票や運行実態を時系列で説明できるよう、記録の保管場所や担当者を整理しておくと確認対応を進めやすくなります。

行政処分を受けると運送会社にどのような影響がある?

行政処分を受けると、保有する輸送力や営業体制が制限され、通常どおりの配送計画を維持できなくなる可能性があります。車両使用停止では稼働できる車両数が減るため、配車の組み替えや受注量を調整しなければなりません。事業停止では対象営業所の業務自体が止まるため、より広い範囲で運行計画や取引対応を見直す必要が生じます。

行政処分等の情報は公表されるため、社外から処分内容を確認できる点も経営上の影響として無視できません。荷主や取引先から法令遵守体制や再発防止の状況を確認される要因になり得るため、処分への対応だけでなく、是正した内容や管理体制の改善状況を説明できる状態にしておくことが重要です。

行政処分を受けたトラック事業者を調べる方法

行政処分を受けたトラック運送事業者の情報は、公的機関が公表しており、自社や取引先の処分状況を確認する際に活用できます。ここでは、行政処分を受けたトラック事業者を調べる方法について紹介します。

公的な行政処分情報の検索ページを利用する

行政処分を受けたトラック運送事業者を調べる場合は、公的な行政処分情報の検索ページを利用する方法があります。過去5年間の自動車運送事業者に対する行政処分等の情報が掲載されており、トラックだけでなくバスやタクシーも検索対象です。全国の公表情報をまとめて確認できるため、特定事業者の過去の処分状況を調べる際の入口として活用できます。

検索時は、事業者名だけで見つからない場合に、処分年月日や営業所所在地の都道府県、行政処分の種類などの条件を組み合わせて絞り込むと確認しやすくなります。同名・類似名の事業者がある場合は、所在地や営業所名を照合して対象事業者かを確認しましょう。検索結果で確認すべき項目や見方は、後述する見出しで詳しく解説します。

管轄地域の行政処分公表ページを確認する

行政処分情報は、前述の検索ページに加えて、営業所を管轄する地域の行政機関が公表する情報から確認する方法もあります。行政処分の内容は定期的に取りまとめられているため、特定地域のトラック運送事業者について調べたい場合は、管轄地域の公表情報もあわせて確認するとよいでしょう。

公的な検索ページでは、行政処分情報は原則として処分の翌月末を目処に掲載されると案内されており、集計状況によって掲載が遅れる場合もあります。処分時期や地域を絞って情報を確認したい場合は、検索ページと管轄地域の公表情報を使い分けると確認しやすくなります。

事業者名・処分内容・違反点数などを確認する

行政処分を受けた事業者を調べる際は、処分を受けたという事実だけでなく、詳細な内容まで確認することが重要です。公表されている行政処分情報では、行政処分等の年月日、事業者名・所在地、営業所名・所在地、行政処分の内容、主な違反の条項、違反行為の概要、事業者と営業所それぞれの違反点数などが掲載されています。

特に自社の管理体制を見直す目的で利用する場合は、「どの事業者が処分されたか」だけを見るのではなく、何が違反と判断され、どの程度の処分や違反点数につながったのかまで確認しましょう。なお、掲載内容は行政処分を行った時点の情報であるため、現在の事業者の状況とは異なる可能性がある点にも注意が必要です。

トラック運送事業者が行政処分を防ぐための対策

行政処分を防ぐには、違反が起きてから対応するのではなく、点呼や労務管理、健康管理、車両整備、帳票管理などを日常的に点検し、不備を早期に是正することが重要です。ここでは、トラック運送事業者が行政処分を防ぐために取り組みたい具体的な対策について解説します。

点呼と記録を確実に実施する

点呼の未実施や記録漏れを防ぐには、点呼の実施者、実施タイミング、確認項目、記録方法を営業所内で標準化し、誰が担当しても同じ手順で完了できる状態にすることが重要です。点呼記録は原則として1年間保存する必要があるため、点呼の実施だけでなく、記録の作成・確認・保存までを一連の業務として管理しましょう。

日々の実施状況は、点呼記録だけでなく勤務・運行の実態と照らし合わせ、点呼が必要な乗務に抜けがないか定期的に確認します。不備を見つけた場合は、単にその箇所を修正して終わらせず、担当者の認識不足や引継ぎ漏れなど原因を特定し、手順や確認体制を見直して再発防止につなげることが大切です。

労働時間と休息期間を適切に管理する

トラック運転者の勤務管理では、時間外労働だけでなく、拘束時間や休息期間、運転時間、連続運転時間まで確認する必要があります。2024年4月から適用されている改善基準告示では、1年の拘束時間は原則3,300時間以内、1か月は原則284時間以内です。また、勤務終了後の休息期間は継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、原則として9時間を下回らないよう管理します。

違反を防ぐには、配車後に実績を確認するだけでなく、運行計画を組む段階から基準を超えないか確認することが重要です。勤怠記録やデジタルタコグラフなどの情報を照合し、基準超過が予想される場合には、配車や運行スケジュールを早めに見直しましょう。

健康診断・適性診断・運転者教育の実施状況を管理する

健康診断・適性診断・運転者教育は、制度ごとに別々に管理するのではなく、運転者ごとに「対象となる項目」「受診・実施の要否」「期限」「実施日」「記録の保管先」を確認できる形にすると、漏れを把握しやすくなります。指導監督の記録は日時・場所・内容・実施者・受講者などを残し、営業所で3年間保存する必要があるため、実施確認と記録保存を同じ管理フローに含めましょう。

新規雇用や年齢到達、事故発生などで対象条件が変わったときに管理情報を更新する運用を決めておくことも重要です。健康診断についても受診の有無だけで終わらせず、結果を確認したうえで、乗務に支障を及ぼす健康上の問題を見逃さない手順を整えましょう。

車両の点検整備と車検を確実に行う

事業用自動車は、安全な状態を維持するため、日常点検や定期点検を確実に実施する必要があります。事業用自動車の日常点検は1日1回、運行開始前に行うこととされ、緑ナンバーの定期点検は3か月ごとに実施する仕組みです。点検で異常が確認された場合は、そのまま運行させず、必要な整備を行うことが事故や法令違反の防止につながります。

車検の有効期限についても車両ごとに管理し、期限直前になって慌てないよう余裕を持って予定を組みましょう。点検・整備の実施日や記録を一覧化し、整備管理者などが定期的に確認できる体制をつくることで、実施漏れを防ぎやすくなります。

運転者台帳や運行指示書などの帳票を定期点検する

帳票の定期点検では、書類ごとに形式だけを確認するのではなく、相互に関連する記録の内容が一致しているかまで確認することが重要です。たとえば、運転者台帳の在籍情報と社内の人事情報、乗務等の記録と実際の運行状況、運行指示書と運行途中の変更内容などを照合すると、記載漏れや更新遅れ、実態との不一致を見つけやすくなります。

帳票ごとに作成者や確認者、保存場所、保存期間を明確にし、月1回など社内で決めた頻度で点検すると不備を発見しやすくなります。運転者の入退社や運行内容の変更などがあった際にも情報を速やかに更新し、実態と帳票の内容が食い違わないよう管理しましょう。

監査を想定した社内チェック体制を整える

行政監査では、点呼や労働時間、運転者への指導監督、点検整備、事業計画など幅広い項目が確認されます。そのため、担当者任せにするのではなく、監査で確認される項目を踏まえた社内チェックを定期的に行うことが重要です。現行の監査方針では、関係機関や利用者等からの情報などにより法令違反の疑いがある事業者や、巡回指導を拒否した事業者なども監査対象とされています。また、事故や違反の社会的影響が大きい場合や悪質な場合には、より重点的な監査が行われることがあります。

点呼・労務・健康管理・車両整備・帳票などをチェックリスト化し、担当者とは別の管理者が確認する仕組みにすると見落としを減らせます。不備を発見した場合は修正するだけでなく、原因や再発防止策まで記録し、次回の点検で改善状況を確認できる体制を整えましょう。

トラックの行政処分は日常的な運行管理から防ごう

トラック運送事業者への行政処分は、重大事故だけでなく、点呼の未実施や記録不備、勤務時間・休息期間の管理不足、健康診断や適性診断の未実施、車両整備や帳票管理の不備など、日常業務の積み重ねによって発生する可能性があります。処分内容によっては、車両の使用停止や事業停止、許可取消に至り、事業運営や取引先からの信用にも影響を及ぼします。

行政処分を防ぐためには、点呼・労務管理・健康管理・車両整備・帳票管理を担当者任せにせず、社内で定期的に確認できる体制を整えることが重要です。監査を受けてから慌てて対応するのではなく、日頃から不備を発見・改善できる仕組みを構築し、安全で適正な運行管理を継続していきましょう。

目次

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